皆様、こんにちは。

宍戸です。

現在ヤンゴンでは、1988年の結党以来初の党大会を、NLDが開催しています。
党の最高意思決定機関である中央執行委員会のメンバーを選出する。
アウンサンスーチー女史が党首に再選される見込みだ。

210121205 405




































ミャンマーでは、2015年に、総選挙がある。
2010年の総選挙においては、NLDは選挙をボイコットした経緯があった。

2015年の選挙が本当の意味で、2008年ミャンマー連邦共和国憲法に規定されている複数政党制に基づく公正な選挙結果をもたらすことを期待して止まない。

現在のNLDの議会勢力は全体の10%にも満たない。

軍人の固定席である4分の1の議会において、3分の2以上のマジョリティを獲得して憲法改正を成し遂げるためには、NLDは選挙に圧勝する必要がある。
また、憲法上の規定により、現憲法下では、アウンサンスーチー女史は、大統領(国家主席)の就任要件に欠ける。

2015年には70歳になるアウンサンスーチー女史が、大統領に就任するためには、次回選挙で圧勝することが、スーチー大統領誕生の最期のチャンスではないだろうか。

現在の憲法における国家の統治機構を前提とすると、NLDが政権与党になったとしても、軍との協力関係は不可欠である。最近のスーチー女史の発言を分析すると、軍との友好関係を築こうとしている意図が垣間見える。軍関係者との会談も増えてきている。

アメリカの人権外交の象徴として、アウンサンスーチー女史は、西側の支援を受けながら、ミャンマーの民主化を導いてきた。国民からの支持も圧倒的だ。

しかし、国内の政治問題を、具体的にスーチー女史が解決したような明確な実績があるわけではない。
先般の鉱山紛争や民族紛争問題に取り組む姿勢を見せるも、スーチー女史が関与したことで、それらの国内政治問題が解決に至っているわけではない。

現大統領のテインセイン大統領が進める民主化路線に基づき、高度経済成長の恩恵を受け、国民生活は豊かになりつつある。現政権は、現在の改革路線による成果を2015年までアピールし、国民からの支持を得て、選挙を乗り切る意向だ。

スーチー女史の国内のおける政治手腕は全くの未知数である。
NLDは後継者問題も含め、課題も多いが、圧倒的に議会マイノリティである現状では、具体的な成果を残すことも簡単ではないのであろう。

アウンサンスーチー女史が、2015年の選挙を展望し、軍との友好関係を構築し、自身が大統領になった場合の国家統治の形を模索していることは理解できる。

NLDとしては、そろそろ選挙後の目指すべき国家像、憲法改正、外交方針、国内の政治問題について、具体的な政策を示すべきタイミングが来ている。

現政権に対する国民の支持が高まる中、NLDは自らの政権能力も含め、国民に対して、マクロな人権主義を掲げたスローガンではなく、具体的な政策とシャドーキャビネットを示し、国家運営ができることをアピールすべきであろう。

今年、4月に来日する予定であるスーチー女史の日本での発言も注目されます。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4833420341/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_2?pf_rd_p=466449256&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_t=201&pf_rd_i=4502332240&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_r=1BQ0PZ6BFSKE42YABS87


宍戸